難病と診断されたばかりのあなたへ:心の波と向き合い、自分を労わる時間の見つけ方
難病と診断されたばかりの皆様、そしてそのご家族の皆様へ。
予期せぬ診断は、私たちの心に大きな波を立てることがあります。驚き、悲しみ、怒り、不安、そして時には漠然とした喪失感。様々な感情が次々と押し寄せ、どこから手をつけて良いのかわからず、ただ立ち尽くしてしまうような気持ちになるかもしれません。
この「支え合いの場」は、そのような心の揺れを感じている皆様に、そっと寄り添い、共に考える場所でありたいと願っています。
診断直後の「心の波」は自然なこと
まず、お伝えしたいのは、今感じているその感情の波は、決して特別なことではなく、誰もが経験しうる、ごく自然な反応だということです。病気という大きな変化に直面した時、心が動揺するのは当たり前のことです。無理に「前向きにならなければ」とご自身を追い詰める必要はございません。
ご自身の感情を否定せず、「今、自分は悲しいのだな」「不安を感じているのだな」と、ただ受け止めること。それが、心の波と向き合う第一歩になります。涙を流したい時は我慢せず、感情が湧き上がるままに身を委ねてみることも、心の回復にとって大切な過程です。
自分を労わる「小さな時間」を見つけるヒント
病気と向き合う生活の中で、ご自身のことを後回しにしてしまいがちになるかもしれません。しかし、心身の健康を保つためには、意識的に自分を労わる時間を持つことが不可欠です。それは、大がかりなことでなくても構いません。日々の生活の中に、ほんの少しでも「心の栄養」となる時間を取り入れてみませんか。
- 静かな時間を持つ: ほんの5分でも構いません。椅子に深く座り、目を閉じて、静かに呼吸に意識を向けてみてください。スマートフォンから離れ、ただ「今ここ」に集中することで、心のざわつきが少し落ち着くことがあります。
- 五感を心地よく刺激する: 好きな香りのアロマを焚いてみる、お気に入りの音楽を聴いてみる、肌触りの良いタオルを使ってみる、温かい飲み物をゆっくり味わうなど、五感を通して心地よさを感じる時間を作ってみましょう。
- 短い散歩に出かける: 天気の良い日に、近所の公園や庭を少し散歩してみるのも良いでしょう。外の空気を吸い、季節の移ろいを感じることで、気分転換になります。無理のない範囲で、ご自身のペースで楽しんでみてください。
- 「〜したい」という気持ちを大切にする: たとえ小さなことでも、「これがしたい」と感じることは、心の状態を知る大切なサインです。興味のある雑誌を眺める、温かい湯船にゆっくり浸かる、誰かに電話をしてみるなど、その時の心の声に耳を傾けてみましょう。
大切なのは、完璧を目指さず、ご自身が「心地よい」と感じることを優先することです。たとえそれが短時間であったとしても、ご自身を労わるその気持ちが、心の支えとなることでしょう。
一人で抱え込まず、頼ることも大切です
「この気持ちは誰にも理解してもらえないのではないか」「弱音を吐いてはいけない」と感じてしまうこともあるかもしれません。しかし、一人で抱え込む必要は決してありません。
もし、ご自身の感情のコントロールが難しいと感じる時や、心の辛さが長く続くようでしたら、心療内科や精神科の専門医、カウンセラーに相談することも大切な選択肢の一つです。専門家は、心の状態を理解し、適切なサポートを提供してくださいます。
また、「支え合いの場」のように、同じような経験を持つ方々が匿名で集い、語り合える場所もございます。ここでは、言葉にできない思いを共有したり、他の方の経験談に触れることで、「一人ではない」と感じ、心が少し軽くなるきっかけが見つかるかもしれません。ご自身のペースで、安心して利用できる場所があることを、心の片隅に留めていただければ幸いです。
あなたらしいペースで、一歩ずつ
難病と向き合う道のりは、時に長く、困難に感じられるかもしれません。しかし、焦らず、ご自身の心の声に耳を傾け、小さな一歩を大切にすることで、少しずつ前向きな気持ちを見つけることができるはずです。
ご自身を大切にすること、それが、これからの新しい日常をあなたらしく歩んでいくための、最も大切な土台となります。私たちは、この「支え合いの場」を通じて、皆様の心の支えとなれるよう、いつもここにございます。